6月議会報告
■ 職員の給与カット、議員の報酬カットが可決

議会概要=TPP交渉に関する特別委員会が発足

 6月議会は、13日から7月2日まで20日間開催されました。
  今回は、国の緊急経済対策などに対応した事業を中心に、165億円の補助予算を審議しました。
  また、職員の給与カット平均7.8%を盛り込んだ追加提案が提出され、私を含め3人が反対討論を行いましたが、自公議員の圧倒的多数で承認されました。これに関連して、議会最終日には議員報酬の10%カット議案がなされ、8月から来年4月までの9ヶ月間、職員と同様に減額する条例が承認されました。
  さらに、TPP交渉に関する特別委員会が6月議会中に発足をし、県内への影響などを軽減するために活動をすることになりました。
  最終日には、副議長の中村議員からの辞職届が受理され、後任に佐藤県議(阿蘇選出)が選出されました。

議会内容=だれもが望む課題の意見書は自民党が反対
 
  一般質問には9人の登壇があり、昨年の7.12水害を受けて、県内の防災対策や災害復旧に向けての県の取り組みに関する質問が多くみられました。
  また、アベノミクスが県内に与えた影響に関する質問、県の重要課題である水俣病問題、オスプレイ、子宮がん検診、世界遺産などトピックス的課題、そして議員出身の地域の様々な課題について質疑がされたところです。
  給与カット問題については、岩中、松岡、西の3議員が反対討論を行いましたが、給与カットをしなければ、交付税カット60億円の財源の目処が立たないということから、賛成多数で承認されました。
  最終的に追号を含めて、知事提出議案1〜25号、議員提出議案1〜5号のうち「地方交付税及び地方公務員給与に関する意見書」は採択されましたが、「原発の再稼働と輸出を中止し、『即時ゼロ』の決断、再生可能エネルギーへの転換を求める意見書」、「高校授業料無償制度に所得制限を導入しないことを求める意見書」「解雇の自由化など労働者保護の規制緩和に反対する意見書」等4意見書は、自民党の反対により否決されました。
  また委員会提出議案の「熊本県議会議員に対する議員報酬の特例に関する条例(議員の報酬を来年4月まで10%カット)の制定について」「肝炎対策の充実に関する意見書」は採択されました。

職員の給与カット条例案について反対討論に立ちました
 
今回の職員の給与カット条例案については下記の点を指摘し反対をいたしました。

 (違法行為)憲法や諸法律に抵触
 
今回、国は地方公務員の給与削減を要請し、それを強制するために地方交付税の人件費相当分を削減するという漠拳に出たが、憲法92条で、地方自治の本旨を国は尊重しなければならないとある。また地方交付税法第1条は地方交付税の目的を「地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする」。さらに、その3条では「国は、交付税の交付に当たっては、地方自治体の本旨を尊重し、条件をつけ、またはその使途を制限してはならない」とされている。
  私たち議会議員を含め公務員は法治国家の下、法の順守を確実に施行することが求められており、県民にもそれを求める立場の職員である。
  今回の給与カットは、法的問題として、憲法、地方自治法、地方公務員法といったさまざまな法律に抵触している。そういう問題を含んだ議案を議会で承認するということはやってはいけない。

(県民サービス)地域の安全、教育、福祉で頑張る職員
  教職員削減については、県独自の「財政健全化計画」が始まった平成13年と比較しても1000人を超える削減が進められている。その財源効果は、平成13年以降で延べ500億円を超える。これだけ人が減らされた中でも、従前からんの業務に加え、次々に生まれる新たな課題に対処しながら県行政が進められている結果、県庁は不夜城として、毎日日付が変わるまで電気が消えることはない。
  行政職員だけではなく、警察職員の頑張りにより地域の安全は守られている。教職員の頑張りで、学問にスポーツに優秀な人材が輩出されている。医療福祉関係で頑張っている職員がいるから、子どもから高齢者まで安心して暮らせる、地域の医療・介護福祉が守られている。
  このようなことから、長期的に県民サービスを維持していくためには、軽々しく給与カットに頼る手法は慎むべきだ。

(地域経済)賃金ダウンは地域経済にも影響
  公務員の給与カットは地方経済にも大きな打撃を与える、県の職員組合では、今回の県経済に与えるマイナス効果を約300億円と見込んでいる。
  県給与基準の多くの団体や民間中小企業も県にならえということで、賃金カットもしくは賃上げ抑制の行動に出ると考えられる。賃金ダウンの負の連鎖が起こる。
  政府はアベノミクス効果で、景気は上向きだと言っているが、今回の地方公務員の賃金カットは全く逆行するものであり、地方経済の停滞をもたらすものである。
  知事は国の緊急経済対策を活用して、様々な景気対策を実施し、被害を最小限にしたいという答弁も今議会中にしているが、今回の措置の影響は大変なものであることをしっかり認識するべきである。

(職員への範)知事は範を示してほしい
  6月10日に知事は全職員に対して、「親愛なる職員の皆様へ」という題名で、今回の給与カットに至った顛末と謝罪の一斉メールを発信した。
  知事のメッセージには「給与カットは最後の最後、できることなら避けたい」「職員の給与を守りたい」という言葉もあった。知事の全くの本心だと思う。
  ただ、知事はこれまで機会あるごとに「国に頼るな、他県と比べるな、熊本が全国をリードせよ」「できないではなく、どうすれば出来るかを考えろ」といった言葉を繰り返し職員に発信してきた。であれば今回は知事自ら、「給与カットをすることなく、しかも県民サービスを落とすことのない」ことについてどうすれば出来るかを今一度考えて、実践し、職員の範となっていただきたい。

 
 
以上の論旨を述べ、さらに私の他2人が反対討論を行いましたが、給与削減の条例は賛成多数で可決されました。
  ただし、今回の措置は著しく地方自治の尊厳を傷つけるものであるとして、自民党も一緒になって政府に対する抗議の意見書を提出することとなりました。