■県民所得は全国41位、幸福量の増大策は?
  高付加価値農業や新規就農者確対策などを質す


1.県民幸福量の増大達成と県民所得低下について

(1)県民幸福量増大に向けた県民所得向上のための施策について
県民アンケート結果によると、「熊本県に生まれてよかった、住んでよかった、これからもずっと住み続けたい」と感じる県民がいずれも8割を超えている。しかし、平成20年度の一人当たりの県民所得のデータからは、全国41位(最新データでは43位)、しかも九州では福岡、佐賀、大分県に次いで4番目と低迷している。県民所得の低下は、平成4年頃から今のような状態になっている。県民所得を上げていくために知事はどのように取り組んでいくのか。

知事 熊本県政は一貫して、産業づくりと暮らしの豊かさを目指した取り組みを進めてきた結果、日本をリードする最先端産業が根付き、バランスがとれた多様な農林水産業の展開につながっている。本県のように、商工業と農林水産業の振興に偏りなく取り組み、人口減少が小幅な件は相対的に県民所得の順位が下がる傾向にある。今後は、地元リーディング企業の育成強化に加え、知の集積につながる研究開発部門や、農林水産分野までを見据えた企業誘致が必要。稼げる農業の実現に向け、6次産業化や農地集積を加速化させる。アジアの活力を取り組むためのビジネス交流拡大に向け、南寧市にも事務所を設置し東南アジアへの進出を進める。
     ※6次産業とは、一次産業である農業、2次産業である加工製造を加え、さらにサービス部門を加味した産業化のこと(1+2+3=6)

(2)高付加価値産業の展開について

 県農業は、トマト、いぐさ、宿根カスミソウ、スイカ、デコポン、葉タバコは全国1位、ナス、メロン、トルコキキョウ、クリ、しょうがは2位、イチゴ、はちみつは3位、温州ミカン、肉用牛、乳用牛は4位など、ありとあらゆる品目が全国上位の生産量を占めている。しかし、生産農業所得は全国10位、九州内では鹿児島、宮崎に次いで3番目。本県農業は品目ごとの生産力は優れているので、そのポテンシャルを生かすために加工品の取り組みなど、付加価値を高めるための6次産業化を今以上に進め、農業所得を上げる必要がある。

農林水産部長 農業の6次産業化は県内各地でも優良事例が出てきている。地域ぐるみで6次産業化を進めるには地域の創意工夫や熱意とともに生産、加工から流通販売に至る支援が重要。国の動向と併せて、小ロット農産物を大消費地に届ける低コスト輸送システムや、直売所、インターネットを活用した販売促進など、きめ細やかな支援に取り組む。

(3)中国の熊本広西事務所について

 熊本広西事務所では、日中経済交流の橋渡しの役割を強化し、民間企業との交易がしっかりできるような体制をとっていくべき。

商工観光労働部長 今年の友好提携30周年を機に交流をさらに活発にするため、事務所開設を含めた自治区との経済交流拡大に向けた可能性可能性調査に取り組んでおり、できるだけ早い時期の事務所開設を目指す。

2.新規就農者確保対策について

 県は青年就業納付金事業に600人の後継者を想定して、9億6500万円の予算を計上、本制度を県としてはどのように活用していくのか、また、本来最も確保しなければならない農家の後継者に対する支援策は考えていないのか。

農林水産部長 24年度から創設される「青年就農給付金」は、研修期間だけではなく就農後の収入不安定な時期に、生活の不安が軽減でき、技術習得・向上に取り組めるため、農業への定着率の向上が図られ、担い手確保に寄与できるものと考える。新規就農者が農業で自立していくためには、給付金による助成制度に加え、地域全体で農業後継者を育成し、しっかりと地域に定着する仕組み作りが重要。農地など親の経営基盤があり、技術が継承できる農家の後継者はもとより、農業以外からの新規参入を増やし、農業の担い手として育成していく。

3.県職員の育成と確保について

(1).県行政組織の位置づけと職員の育成について

 政令市が実現し、県はいらなくなるのではという考えが出てくれば、職員の士気が下がっていく。職員が胸を張って県民のために活躍できる組織にするべき。農林水産業や土木、衛生・医療などの技術系部門、税務・福祉・法律などの事務系部門にもスペシャリストをトップとする人材の育成・配置をしていくことが、県への信頼を確固たるものにすると考える。これからの多様なニーズに対応するための県行政組織をどのように位置づけて、職員を育成確保し、信頼される熊本県を作っていくのか。

(2).具体的な職員確保対策について
  @獣医師の確保について
 
今年度も、10人程度の欠員が見込まれている。全国的に不足している獣医師確保のために、獣医師志望の学生に奨学金制度を設けて確保すべきでは。

 @看護師の確保について
 
看護師の確保は本県だけではなく、大都市圏や大規模総合病院でも同様で、新卒看護師の青田買いや看護職採用試験の早期化が見られる。本県でも、試験実施を早期にすることで優秀な新卒者を確保するとともに、受験年齢の引き上げを行い、中堅看護師職員を確保するべき。

総務部長 大きな環境変化を迎える中、今、県の行政組織や職員に求められるのは、県の基本的な任務に関する実務能力と、環境変化に対応する適応能力。県と市町村あるいは市町村間の連携を進める総合調整に関して県が担う役割は重要になる。適材適所の配置に努め、職員一人一人が誇りと使命感を持って職務に取り組んでいく。
  獣医師の確保は重要な課題であり、ご提案の件も含めて確保に努めていく。看護師の確保については、新年度は必要数を確保できる見込み。さらに年度途中の繰り上げ採用も実施するなど、今後も現場ニーズをしっかり把握しながら確保に努めていく。

4.英語教育の推進について(要望)

 本県の若者が、グローバル社会の中で就職できるように、英会話を重視した英語教育をしっかり実施して欲しい。